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関西ファミリーフィッシングの雑記帳

20年ぶりに釣りを再開した小物釣り師がお送りする 大阪湾岸 家族で楽しむ釣り情報

【釣魚レシピ】骨は硬いが初夏は美味 旬のスズメダイを食べてみよう

釣りコラム 魚料理 初心者向け

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釣り場で出会う魚の中で「エサ取り」と呼ばれている魚がいます。

何かしら目的の魚があって専門に狙っている釣り人にとっては招かれざる客。特に水温が高い時期は湧き出すかのごとく群れているときがあり、撒き餌を撒くと海を黒く染めるほどワラワラと集まってあっという間に撒き餌を掃除してしまいます。本命の魚に届く前にエサをたいらげてしまうんでエサ取りというわけですね。全く本命が釣れないときなんかは遊び相手になってくれたりもするんですが。

ある程度釣りに慣れた方ならエサ取りと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?ファミリーフィッシング的な釣りでは、小イワシ、小サバ、サッパ、ボラ、バリコ(アイゴ)、フグなんかが代表格かな?夏や秋は頻繁にお目にかかります。

そんな中でも比較的潮通しのいい釣り場、例えば大阪湾だとポートアイランドや神戸空港より西側エリア、その辺で釣れるエサ取りといえば「スズメダイ」が一番ポピュラーじゃないかと思います。低水温にも強いようでシーズンの終盤まで釣れてくるし、シーズン開始前にもいち早く釣れる印象が。

で、エサ取りもしくは外道のご多分に漏れず、スズメダイを持って帰って食べる人は少それほど多くないはず。釣ったそばからリリースされる魚です。でも待ってください。実は時期を限定するとかなり美味しい魚だったりするんです。食べ方が分からない?では少々お付き合いください。

骨が硬いからあまり食べられないけど

地方名「お仙殺し」!小骨が硬い

「昔々紀州のとある村にお仙という女がおったそうな。ある日腹をすかせたお仙は魚を食べたのじゃが、かわいそうにその魚の骨が喉に刺さり死んでしまったそうじゃ。それからというものその魚は”お仙殺し”と呼ばるようになり、村人にたいそう嫌われたそうな。」(市原悦子の声で脳内再生してください)

というような和歌山地方の伝承(脚色あり)がスズメダイにはあるらしく、今でも関西の釣り人には”オセン”と呼ばれています。

理由はともかく何百年も名前が残るなんてすげえぜお仙ちゃん。そしていつの間にか自分を殺した憎っくきスズメダイのほうがオセンと呼ばれているのは皮肉だぜお仙ちゃん(私の中でお仙は10代後半のドジっ娘っとしてキャラ付けされています)。イサキも同じような理由で「鍛冶屋殺し」なんて異名がありますね。こちらも和歌山発祥らしい。

まあとにかくこのエピーソードから分かるようにスズメダイは骨が硬いと。何らかの形でスズメダイを食べた人には共感できるはずです。確かに骨が硬い。ヒレも硬い。ついでにウロコも硬い。身も締まってるし全体的にカチカチ。なかなか食べられないのはこれが一番大きな理由でしょうね。

あとは見た目が熱帯魚っぽいため先入観で「美味しくなさそう」と思い込まれている可能性もありそうです。スズメダイの仲間って綺麗なものが多いので水族館の定番ですしね。

福岡と大阪では普通に食べられているらしい

そんなスズメダイですが、地方によっては郷土料理として食べられている例があります。有名なのは福岡の「あぶってかも」。スズメダイを塩焼きにしてウロコや内蔵ごと食べるそうです。ワイルドだな福岡。

調べたところ、もう一箇所スズメダイが食べられている地方がなんと大阪。いや俺ずっと大阪府民をやってるけど食べたことないよ?という人がほとんどだと思います。私もそうでした。

調べてみると韓国系の方が食べるそうで、大阪といえど生野区あたりだけの狭い食文化じゃないかと思われます。鶴橋あたりの本格的なお店に行けばメニューにあるのかもしれませんね。

この他の地域には流通すらしていないようです。

旬の「春から初夏」は脂のりが最高!

数少ないであろう、何らかの料理法でスズメダイを食べた経験がある人の中にはマズイという感想を持った人がいるかもしれません。でもちょっと思い出してみてください。それを食べたのは夏以降じゃなかったですか?

スズメダイは明確に旬があってそれは春から初夏。夏に産卵をするので、春から初夏は産卵をひかえて体に脂肪を蓄える時期です。どの魚もだいたいそうですが、産卵前の魚は脂がのっていて美味い。スズメダイもそうなんです。

ゴールデンウィークあたりに釣り上げたスズメダイを捌こうとすると、脂で手がすべって扱いづらく感じるほど。先ほど紹介した福岡の「あぶってかも」も、脂が多いスズメダイを焼いて自身の脂で揚がったような状態になるから食べやすいらしい。

初夏。食べるならこの時期です。いやむしろ、この時期にスズメダイが釣れたなら1回食べてみろ!だまされたと思って。

なお冬の時期にも食べてみたところ、そこそこ脂ノリが良かったのでこの時期もおすすめです。

生のスズメダイを食べてみよう

食べれるのは分かったけど どう料理するの?

というわけでスズメダイを食べてみましょう。

「ゴールデンウィークあたりにイワシを釣ろうとサビキをしたけど時期が早くてスズメダイしか釣れなかった」というケースがよくあると思うので、そんな人を想定しています。夏以降に釣れたスズメダイは知らん。責任持ちません…

ではどうやって食べるのか?

20年ぶりに釣りを再開した当初は私も知らなかったのでネットで検索したのですが、これというレシピは出てきませんでした。他の魚と一緒に唐揚げにして南蛮漬けを作ったみたいな記述はよく出てくるのですが。当時はクックパッドにもスズメダイのレシピは皆無でした。

今見たら一件ありますね。これはいわゆる「あぶってかも」的な調理。

韓国料理風にやってみよう

先に「大阪の韓国系の人が食べる」と書きましたが、それにならって韓国料理風に調理したいと思います。最終的にスズメダイを生で食べる料理です。

すでに福岡で「あぶってかも」として確立されているんだから焼いたほうが確実では?と思うかもしれません。でも我が家はあまり焼き魚を好まないので、生で食べる方法はないかと調べ韓国料理に生のスズメダイを使ったメニューががあることを知りました。料理名を「チャリフェ」というそうです。

しかしこれといった詳しいレシピは見つけられませんでした。ですのでこれから紹介するレシピは私がネットで集めた断片的な情報を組み合わせてできたレシピです。間違っているところがあるかもしれません。それを前提にしてご参考に。

「スズメダイのチャリフェ」のレシピ

必要な材料 

チャリフェを大まかに言うと生のスズメダイを韓国唐辛子酢味噌で和える料理です。国唐辛子酢味噌は別名「チョ・コチュジャン」というそうです。レシピはここで調べました。ガッテンガッテン!

韓国唐辛子酢味噌の材料と作り方を引用させてもらいます。

[材料]
  • コチュジャン…大さじ2
  • 砂糖…大さじ1
  • しょうゆ…小さじ1
  • 酢…大さじ1
  • すりゴマ…大さじ2
  • ごま油…小さじ2
[作り方]
  1. コチュジャンに砂糖を加える。
  2. しょうゆを加える。
  3. 酢をのばしながら加える。
  4. すりゴマを加える。
  5. 最後にコクをつけるために、ごま油を加えて完成。

辛いのが苦手な人はコチュジャンの量を加減するといいでしょう。上の材料以外に必要なのはスズメダイのみです。付け合わせ的にキュウリや菜っ葉的なものがあればなお良し。

【調理手順1】スズメダイの下ごしらえ

まずはウロコを丁寧に落としてください。胸ビレのあたりは後で取り除くので適当で構いません。

ウロコが落とせたら全てのヒレをキッチンバサミで切り取ります。骨が硬けりゃヒレも硬いのがスズメダイ。特に背ビレと腹ビレが鋭利です。ウロコ取りの最中に刺しちゃうと危険なので最初に切り取ってもいいかもしれません。

続いて頭を落とします。内臓周りの腹骨も硬いので思い切ってその部分も皮ごと除去しちゃいましょう。腹腔の構造上、アジみたいに腹骨だけすき切るというのはちょっと難しいです。

ということで切り落とす部分を図示するとこうなります。

 

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残ったのはわずかに上半身と尾っぽ付近の身だけ。なんという歩留まりの悪さでしょうか。そもそもスズメダイは小さいのでほんとにわずかです。この歩留まりの悪さも敬遠される理由のひとつでしょうね。

【調理手順2】身を背ごしにする

さて次は3枚におろす…必要はありません。皮を剥く…必要もありません。今回は背ごしにします。背ごしというのは言い換えれば薄いぶつ切りです。皮と中骨ごと身をぶつ切りにしていきましょう。

厚さは2~3mmというところで中骨ごと薄く輪切りにする感じです。こんな感じ。 

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まな板がきたなくてすいません。

中骨ごとジャキッ、ジャキッと切ってください。え?中骨は食べるときどうするのかって?食べるんですそのまま。意外と中骨は柔らかくて、歯で噛めばサクッとつぶれます。ここにも旨みがあるので噛みしめてください。皮も同様です。とはいえやはり骨は骨なので子供はちょっと苦手なレシピかもしれませんね。辛いし。 

15cmほどの大きな個体になるとさすがに中骨を食べるのはきついので、3枚におろして刺身でもオススメです。取れる身は僅かですが美味い部類の刺身だと思います。バーナーがあるなら皮つきで表面を炙るのも良し。皮が美味い部類の魚ですよ。

【調理手順3】氷水で身を締める

背ごしにした身をキンキンに冷えた氷水で締めます。ザルにいれて氷水につけるといいでしょう。身が締まって断面が白くなります。締める時間は1分ほどあれば十分だと思います。

このとき、旬のスズメダイであれば白く固まった脂が浮いてきます。こんな小さい身にこれほど脂があったのかとびっくりするほど。この工程は他のサイトにあったレシピの見よう見まねで意味も分からずやったんですが、余分な脂や臭み落とす意味があるのだと思います。残った氷水は結構濁ってますし。

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 氷水から上げた身はザルにあげてからキッチンペーパーに包んで軽く絞るなどして、しっかり水分を取り除いてください。

【調理手順4】韓国唐辛子酢味噌を作って和える

先に挙げていた韓国唐辛子酢味噌の材料をまぜて、スズメダイの背ごしと和えます。あればキュウリの千切りなども混ぜましょう。 ダイコンや大葉でもいいかも。

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できあがり

これで完成。

酢の作用である程度は骨が柔らかくなるはずなので冷蔵庫で寝かせるとより美味しく食べられるはずです。冷たい料理なのでガラス食器に入れると雰囲気がでますね。こちらの写真は器が汚くてすいません…(実は2口ほど食べたあとです)

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ちょっとコチュジャン入れ過ぎたかな…

メインの料理という立ち位置にはなれないかもしれませんが、箸休めにちょうどいいおかずです。スズメダイってこんなに旨みと脂がある魚だったのかと驚くかもしれません。白ご飯にも合いますよ。

しっかり中骨を噛み締めて食べましょう。骨せんべいを食べれば分かるように魚の骨は本来旨みがあって美味しいものなのです。もし硬い小骨が残っているようだったらそれは除去してください。

「平成のお仙」にならないために。

エサ取り・外道も食べてみよう

サッパと同じ立ち位置かな

 以前、スズメダイと同じくエサ取りや外道として不憫な扱いを受けているサッパについてもレシピ記事を書きました。

これが予想外に好評で、シーズン中の週末は多くの人に見てもらっています。釣れたものの処理に困って調べたんだろうなと想像がつきます。スズメダイも同じ立ち位置じゃないかと。

語弊があるかもしれませんがサッパは湾奥の淀んだ汚い海で釣れる魚、スズメダイは潮通しのいい綺麗な海で釣れる魚。対照的ですね。2種が同じ場所で釣れたという経験は今のところありません。

ゲテモノ食いをしてるわけじゃない

釣りに慣れた人ほどエサ取りや外道を軽視しがちですが、旬を知り調理の手間を惜しまなければ美味しい魚もあるんです。それを知ってもらいたくてこういう記事を書いていますし、個人的にはこれも釣りの楽しみのひとつかなと思ってます。決してゲテモノ食いをしてるってわけじゃなく素直に美味しいと思うから食べてます。

ヒレに毒があるタイプの外道もリリースされる運命ですが、たいがいは熱を加えると無毒化しますし案外美味い魚も多いらしいので食べてみたいです。今はゴンズイが気になる。でも釣ろうと思ったら釣れないんですよねえ。

いつかボラもちゃんと食べてみたいですね。寒い時期にきれいな海で釣れたボラを。